七五三(しちごさん)は、子どもの成長を祝って神社に参る行事です。男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳で祝うのが一般的で、11月15日を中心に、前後1か月ほどの都合のよい日に参ります。お祝いの中身は、晴れ着の着付け、記念撮影、神社での祈祷(きとう。神職に子どもの成長を祈ってもらう儀式)、家族での会食の4つが柱です。このうち4つすべてを参拝の日に続けて行うのが、七五三のフルコースです。ここでは、ほかの祝い方との違いを整理したうえで、当日の手順と準備のチェックリストを紹介します。
七五三の祝い方は大きく4つ
着付け・記念撮影・祈祷・会食のどれを行い、どれをいつ行うかによって、七五三の祝い方は大きく次の4つに分けられます。割合は、七五三の年齢の子がいる家庭全体に占めるおおよその目安です。
- 撮影を別の日にするプラン…写真はスタジオで別の日に撮り、参拝の日は祈祷と会食に絞る。約3割
- 祈祷なしで写真を中心にするプラン…祈祷は受けず、スタジオや出張撮影で写真を残す。2割強
- 一日でまとめるフルコース(この記事)…着付け・撮影・祈祷・会食を参拝の日に続けて行う。1割強
- お参りだけの身軽なプラン…予約をほとんどせず、神社へのお参りを中心にする。約1割
残りの約2割は、特に行事をしていません。割合は、七五三を祝った家庭が何を行ったか、撮影をいつしたかをたずねた複数の調査を組み合わせた推計です。使った調査と計算の手順は七五三はどう祝う?4つのプランと選ばれている割合で紹介しています。
このプランの特徴
撮影も祈祷も会食も一日で済むため、祖父母や親族に集まってもらうのは一度だけです。遠方から祖父母が来る場合には、移動の負担をまとめられる点が大きな利点になります。祖父母が泊まりがけで来る場合は、神社や会食の店に近い宿を楽天トラベルなどで早めに押さえておきます。写真スタジオに着付けとヘアセットを頼み、撮影を終えたらその姿のまま神社へ向かう流れがよく見られます。
一方で、着物で過ごす時間は朝から午後までに及びます。撮影を短いプランにする、会食の前に洋服へ着替えるといった調整を組み込んでおくと、子どもが最後まで落ち着いて過ごせます。長い一日に付き合える5歳や7歳の子に向いたプランです。
ほかの祝い方との違い
フルコースは、七五三で行うことをすべて一日に集めた祝い方です。ほかの3つの祝い方と比べると、次のような違いがあります。
撮影を別の日にするプランとの違い
祈祷と会食を行う点は同じで、違うのは記念撮影を参拝の日に入れるかどうかです。フルコースは一日で済むため、祖父母に集まってもらうのも一度だけです。撮影を別の日にするプランは2日に分かれますが、1日あたりの時間は短くなり、前撮りの早期割引や参拝用衣装の特典も使えます。選ぶ家庭は撮影を別の日にするプランが約3割で、フルコースの2倍以上です。予定を1日しか確保できない家庭や、祖父母の移動を一度にしたい家庭はフルコース、子どもの体力に余裕を持たせたい家庭は撮影を別の日にするプランが合います。
お参りだけのプランとの違い
お参りだけのプランは、写真スタジオも会食も予約せず、神社への参拝を中心にする祝い方です。神社での時間は1時間ほどで、費用も衣装と初穂料程度に収まります。フルコースは予約先が写真スタジオ、神社、会食の店と最大3か所になり、当日は6時間前後かかりますが、プロの写真と祖父母との食事という形で一日が記念に残ります。行事としての手厚さを取るか、身軽さを取るかが分かれ目です。
写真を中心にするプランとの違い
写真を中心にするプランは、祈祷を受けず、そのぶんの時間と予算を記念撮影に回す祝い方です。スタジオで衣装を替えて撮ったり、出張カメラマンに家族の自然な姿を撮ってもらったりします。フルコースは撮影に加えて祈祷と会食まで行うため、費用のかかる要素がすべてそろいます。神社で祈祷を受け、千歳飴(ちとせあめ)を授かるところまで含めて祝いたい家庭には、フルコースが向いています。
当日の流れの例
午前に撮影と祈祷を済ませ、昼に会食をする流れが基本です。子どもの機嫌がよい時間に撮れるよう、撮影は朝いちばんの枠を押さえます。
- 8:30…写真スタジオで着付けとヘアセット(30分〜1時間)
- 9:30…記念撮影(1〜2時間)
- 11:30…神社で受付と祈祷(参拝全体で30分〜1時間)
- 12:30…会食の店で祝いの食事(1時間半〜2時間)
- 14:30…衣装を返却して帰宅
楽天市場が2024年に子育て中の会員1,000人に行った調査では、撮影にかかった時間は「1時間〜2時間未満」が最も多く、参拝は約半数が「30分〜1時間未満」でした。移動と待ち時間には、それぞれ30分ほどの余裕を見込んでおきます。神社に写真館が併設されていれば、撮影と祈祷を同じ敷地で済ませられ、移動が一つ減ります。
当日の詳しい手順
着付けとヘアセット
スタジオや美容室に着いたら、まずトイレを済ませます。着物を着たあとは用を足すのに手間がかかるためです。家からは前開きの服で出かけると、髪を整えたあとでも脱ぎやすくなります。着付けの前に軽く食べさせておくと、撮影の途中でおなかがすいてぐずるのを防げます。
記念撮影
撮影は着崩れる前、参拝より先に行うのが一般的です。子どもの好きなおもちゃや、笑顔を引き出す声かけを用意しておきます。祖父母も入る家族写真を撮る場合は、祖父母の到着を撮影の後半に合わせると待ち時間が短く済みます。写真はその場で選んで注文するスタジオが多いため、注文する枚数と予算の上限を家族で決めておくと迷いません。
神社での受付と祈祷
鳥居の前で一礼し、手水舎で手と口を清めてから社務所へ向かいます。申込書に子どもの名前や生年月日、住所を書き、初穂料(はつほりょう。祈祷の謝礼として納めるお金)を納めます。祈祷は拝殿に上がって受け、神職が祝詞(のりと)をあげ、家族が玉串(たまぐし)を捧げます。祈祷そのものは15〜30分ほどです。終わると千歳飴やお守りなどを授かります。11月15日に近い土日祝日は待ち時間が長くなるため、絵本や小さなおもちゃを持っていきます。
会食
会食の店は、神社から歩ける距離か、車ですぐの場所を選びます。着物のまま食べる場合は、大判のナプキンを胸元にかけて汚れを防ぎます。3歳は帯まわりが苦しくなりやすいので、店に着いた時点で洋服に着替えさせるのも一つの方法です。個室や座敷なら、着替えや昼寝の場所にもなります。個室のある店は、一休.comレストランのような予約サイトで、料理の内容と見比べながら探せます。料金の目安は、ホテルで大人ひとり6,000〜12,000円前後、子ども用の料理が3,000円前後です。
帰宅後
レンタルした衣装は、当日中に返すのか翌日以降でよいのかを確かめ、付属品をそろえて返却します。授かった千歳飴は家族で分けて食べます。祖父母には、その日のうちにお礼の連絡を入れておきます。
やることチェックリスト
4〜3か月前
- 参拝日を決め、祖父母に予定を伝える
- 参拝する神社を決め、祈祷が予約制か当日受付かを調べる
- 写真スタジオを決め、着付けとヘアセット込みで当日朝の撮影枠を予約する
- 衣装をスタジオで借りるか、ほかで用意するかを決める
2か月前
- 会食の店を予約する(個室か座敷か、子ども用の料理があるか)
- 予約制の神社なら祈祷を申し込む
- 会食の費用を誰が持つか、祖父母とすり合わせておく
- 親の服装を決める
1か月前
- 衣装を試着し、肌着・足袋・草履・髪飾りなど小物の不足を確かめる
- 足袋と草履を家ではかせ、歩く練習をしておく
- 女の子は髪を結う練習をしておく
- 当日の時間割を家族と祖父母に送る
1週間前〜前日
- 初穂料を新札でのし袋に包み、表書きに「御初穂料」、下に子どもの名前を書く
- スタジオ、神社、会食の店の予約時間と人数を確かめる
- 持ち物をまとめ、カメラとスマートフォンを充電する
- 天気予報を見て、雨の日の移動手段を決めておく
- 前日は早めに寝かせる
当日の持ち物
- 初穂料(のし袋)
- 子どもの着替え一式と、はき慣れた靴
- 大判のナプキンやハンカチ、ウェットティッシュ
- 衣装を汚しにくいおやつと飲み物、ストロー
- 待ち時間用の絵本や小さなおもちゃ
- カメラと予備のバッテリー
- 羽織れる防寒着、雨の日は大きめの傘
楽天市場の調査では、52.2%がおやつや飲み物を持参していました。ラムネやグミのように、粉や汁がこぼれにくいものを選ぶと着物を汚さずに済みます。
このプランで使えるサービスと道具
フルコースは予約する先が多いぶん、手配をまとめられるサービスを使うと準備が楽になります。
写真スタジオ
- スタジオマリオ…カメラのキタムラが運営する子ども写真館です。着付けとヘアセットを撮影と一緒に頼めるため、撮影を終えてそのまま神社へ向かう流れを組めます
参拝用の衣装を貸し出してくれるか、当日朝の撮影枠を取れるかは、店舗によって違います。予約の前に確かめておくと、当日の段取りが固まります。
会食と宿泊
- 一休.comレストラン…ホテルや料亭のレストランを予約できるサイトです。個室のある店や、記念日向けのプランを探せます
- 楽天トラベル…遠方の祖父母が泊まる宿を、神社や会食の店の近くで探せます
当日の小物
- 初穂料用ののし袋…祈祷の初穂料を包みます
- 着物用の食事エプロン…着物のまま会食するときの汚れよけに使えます
- 子ども用の草履と足袋…家で履き慣らす時間を取れるよう、1か月前までにそろえます
- 七五三の髪飾り…スタジオで借りない場合に用意します
よくある疑問
会食は参拝の日にしなければいけませんか
決まりはありません。子どもが疲れていそうなら、会食だけ別の週末に回しても問題ありません。会食をしない家庭も多く、3〜12歳の子の保護者約120人への2024年の調査では、七五三を祝った家庭のうち食事会をしたのは約3割でした。祖父母が遠方から来る日に合わせて、一日にまとめる家庭が多く見られます。
3歳でもフルコースはできますか
できますが、工夫が必要です。撮影を着物1着だけの短いプランにする、会食の前に洋服へ着替える、昼寝の時間までに帰宅するといった調整をします。3歳は午前中で切り上げられる時間割にしておくと安心です。一日にまとめるのが難しそうなら、撮影を別の日にするプランに切り替える方法もあります。
会食の費用は誰が払うものですか
家庭によってさまざまです。親が支払って祖父母から祝い金を受け取る、祖父母が支払う、両家で分けるといった形が見られます。事前に決めておくと、当日の会計で気まずくなりません。
日取りは大安にしたほうがよいですか
六曜を気にするかどうかは家庭の考え方によります。気にする家庭は大安などを選びますが、そのぶん神社も写真スタジオも混み合います。祖父母の都合と子どもの体調を優先して日を決める家庭が多く見られます。
参考にした調査
- 楽天市場 Mama’s Life「七五三では何をする?当日やることや事前準備をママ割メンバーに調査!」…2024年8月、楽天ママ割メンバー1,000人
- HugKum「七五三の食事会はどうする?場所や予算、支払いは誰?」…2024年10月公開、3〜12歳の子の保護者約120人
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- 撮影を別の日にするプラン…当日を軽くしたいときに
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- 七五三とは…由来と年齢、千歳飴の意味
