干支の日とは?土用の丑・初午・酉の市の決まり方を解説

十二支のシルエット

土用の丑の日や初午、酉の市は、カレンダーの日付でも二十四節気でも決まりません。日の干支という数え方で日付が決まります。ここでは日の干支のしくみと、それによって日付が決まる行事をまとめます。

干支は年だけのものではない

干支は十干と十二支を組み合わせたものです。十干は甲から癸までの10、十二支は子から亥までの12あります。組み合わせは60通りで、甲子に始まり癸亥で一巡します。60年で一巡することが還暦の由来です。

10と12を掛けた120通りにならないのは、組み合わせ方に決まりがあるためです。十干と十二支は同時に一つずつ進みます。そのため偶数番目どうし、奇数番目どうしでしか組まれません。結果として半分の60通りに収まります。

干支は年だけでなく、月・日・時刻にも割り当てられてきました。日の干支は60日周期で途切れず回り続けます。うるう年が入ってもずれません。丑の日や午の日といえば、この日の十二支を指します。

十二支だけで数えれば12日ごとに巡ります。ひと月に2回か3回まわってくる計算です。時刻の干支は「丑三つ時」「正午」という言葉に残ります。正午は午の刻の中央という意味で、その前後が午前と午後です。

年と月の干支、そして方位

年の干支は、十二支だけで呼ばれることが多いものです。年賀状に描かれる動物がこれにあたります。正しくは十干も含めて呼びます。甲子の年、丙午の年といった言い方です。

十二支は方位も表しました。子が北、午が南にあたります。北東は丑と寅の間で、鬼門を丑寅と呼ぶのはこのためです。節分の恵方も、その年の十干によって方角が決まります。

日の干支で決まる行事

土用の丑の日

土用の丑の日は、土用の期間に巡る丑の日です。土用は四立それぞれの前の約18日間を指します。丑の日は12日ごとのため、必ず1回、年によっては2回入ります。2回ある年の2回目を二の丑と呼びます。夏の土用がよく知られますが、春と秋と冬にもそれぞれ土用の丑の日があります。

初午

初午は2月最初の午の日です。和銅4年のこの日に稲荷大神が伊奈利山へ降りたと伝えられ、稲荷神社で祭礼が行われます。午の日は12日ごとのため、初午は2月1日から12日の間に来ます。年によっては二の午、三の午まであります。

酉の市

酉の市は11月の酉の日に開かれる市です。酉の日が2回の年は一の酉と二の酉、3回の年は三の酉まで立ちます。三の酉のある年は火事が多いという俗信があります。有力なのは、開催が長引く分だけ火の用心を促した戒めだという説です。一方で、夜遊びが増えることをいさめた言葉だという説もあります。

社日と亥の子

社日は春分・秋分にもっとも近い戊の日です。十干のほうで決まり、春と秋の年2回あります。亥の子は旧暦10月の最初の亥の日です。亥の子餅を食べて収穫を祝う、西日本を中心とした行事になります。旧暦のしくみは旧暦と月の行事にまとめました。

暦注として残る干支の日

行事にはなっていない干支の日も、暦のなかに残っています。60日に一度の甲子の日は大黒天の縁日です。庚申の日は、夜を通して過ごす庚申待が行われた日でした。巳の日は弁財天の縁日で、なかでも己巳の日は重んじられます。

こうした記載をまとめて暦注と呼びます。江戸時代の暦には、六曜とともに細かく書き込まれていました。神社の縁日では今も干支の日が使われます。

干支の行事が残った理由

日の干支で決まる行事には、寺社の縁日から広がったものが目立ちます。決まった日に人が集まる仕組みがあると、商いも一緒に育ちます。酉の市の熊手や初午のいなり寿司は、その名残です。

日付が動くことは行事の強みにもなります。いつなのかと確かめる手間が、そのまま関心を集めるからです。夏の土用の丑の日が広く知られているのは、この性質によるところが大きいといえます。

六曜と干支はどう違うか

カレンダーでよく見る大安や仏滅は六曜です。六曜は6日でひと回りし、旧暦の月と日から機械的に決まります。干支のように60日をかけて巡るものではありません。

六曜が広まったのは明治以降です。暦注の多くが改暦のときに整理されたなかで、六曜だけが民間に残りました。干支のほうは、縁日という形で寺社に残っています。

縁日は寺社ごとに割り当てが違います。同じ月でも、参る先によって日取りが変わります。出かける前に社寺の案内で確かめておくと確実です。

干支で日付が決まる行事の一覧

  • 初午…2月最初の午の日。2月1日から12日ごろ
  • 社日…春分・秋分にもっとも近い戊の日。年2回
  • 土用の丑の日…土用の期間に巡る丑の日。年4回の土用ごと
  • 亥の子…旧暦10月の最初の亥の日。11月ごろ
  • 酉の市…11月の酉の日。一の酉から三の酉まで

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