2026年の亥の子は11月9日です。
亥の子とは
亥の子(いのこ)は、旧暦10月の最初の「亥の日(いのひ)」に行われる日本の伝統行事です。現在の暦ではだいたい11月ごろに巡ってきます。主に西日本を中心に行われています。
子孫繁栄や無病息災、秋の収穫を神様に感謝する日です。イノシシの形をしたお餅を食べたり、子供たちが地面を石で搗(つ)く遊びをしたりして、神様の恵みを賑やかにお祝いします。
由来と歴史
亥の子の起源は、古代中国で行われていた「亥子祝(いのこいわい)」という宮中行事にさかのぼります。平安時代に日本へ伝わり、貴族たちの間で無病息災を祈る儀式として定着しました。イノシシは多産であることから、子孫繁栄を象徴する動物として大切にされてきました。
室町時代から江戸時代にかけて、この行事は一般の庶民や農民にも広がっていきました。ちょうど秋の収穫の時期と重なるため、農作物の収穫を感謝する収穫祭の意味合いを持つようになりました。
また、亥の月(旧暦10月)は火を司る時期とされます。茶道ではこの時期に冬の「炉(ろ)」を開いて火を入れる「炉開き(ろびらき)」を行います。この日に火を使い始めると火事にならないという言い伝えがあり、現代でも茶道の重要な節目として引き継がれています。
何をする日か
子供たちが集まって遊んだり、家族で特別なお餅を食べたりして過ごします。
- 子供たちが藁や石で地面を力強く搗く「亥の子突き」をします
- 家族揃って無病息災を祈り亥の子餅を食べます
- 茶道をしている人はお茶室で冬の炉開きを行います
西日本の一部地域では、「亥の子突き(いのこづき)」という独特の遊びが行われます。子供たちが丸い石に縄をくくりつけたものを持ち、歌を歌いながら近所の家の地面をドンドンと搗いて回ります。
地面を搗くことには、大地の神様に活力を与えたり、モグラなどの害獣を追い払ったりする意味が込められています。地域の子供たちが協力して家々の繁栄を祈ります。子供たちはお礼にお小遣いやお菓子をもらい、秋の夜の楽しい思い出を作ります。
食べるもの・供えるもの
亥の子の日に欠かせないのが「亥の子餅(いのこもち)」です。
亥の子餅は、多産で生命力の強いイノシシの形に見立てた可愛らしい和菓子です。もともとは大豆や小豆、ささげ、ごまなどの穀物を混ぜて作られていました。これを食べることで、病気をせずに健康で過ごせると信じられてきました。
現代では、あんこを求肥(ぎゅうひ)や餅で包み、表面に焼き印でイノシシの模様をつけたものが和菓子店に並びます。温かいお茶と一緒に、秋の深まりを感じながら家族で美味しくいただきます。
準備はいつから
亥の子餅を和菓子店で購入する場合は、当日の1週間前までに予約をしておきます。期間限定で販売されることが多いため、販売期間を事前に確認しておくと安心です。
地域で亥の子突きの行事が行われる場合は、当日の数日前までに子供たちに渡すお小遣いやお菓子を用意しておきます。子供たちが訪ねてきたときに、すぐにお礼として渡せるように袋へ入れておきます。
家の中で飾る秋の花やススキなどは、当日の前日までに花屋で買い揃えます。部屋を綺麗に整えて、秋の収穫への感謝を込めてお供えします。
地域による違い
亥の子は、主に西日本を中心に盛んに行われてきた行事です。特に関西地方や中国・四国地方、九州地方では、現在でも亥の子突きや亥の子餅の風習が色濃く残っています。
一方、東日本では亥の子の風習はあまり見られません。その代わり、同じ旧暦10月の10日に行われる「十日夜(とおかんや)」という行事が盛んです。東日本の十日夜と西日本の亥の子は対をなす行事として知られます。どちらも秋の収穫を祝い、子供たちが地面を搗いて回る風習を持っています。
よくある疑問
亥の日とはどうやって決まるのですか
干支(えと)の十二支(子・丑・寅…)を、日付に順番に当てはめて決まります。12日に一度、亥の日が巡ってきます。旧暦の10月(亥の月)に入ってから最初に迎える亥の日が、亥の子のお祝いの日になります。そのため、現在の暦では毎年日付が変わります。
亥の子突きには誰でも参加できますか
主に地域の小学生などの子供たちが中心となって行います。町内会や子供会が主催することが多く、地域に住んでいる子供たちなら誰でも参加できるのが一般的です。昔は男の子だけの行事でしたが、現在では男女関係なく参加して楽しむ地域が増えています。
茶道の「炉開き」とはどのような儀式ですか
「風炉(ふろ)」という小さな火鉢を片付ける時期です。代わりに畳の一部を切って作られた「炉(ろ)」に火を入れる冬支度の儀式です。茶道のお正月とも呼ばれるとても大切なお祝いで、この日には亥の子餅を食べてお祝いする風習があります。
今後5年間の亥の子
- 2026年11月9日(月)
- 2027年11月4日(木)
- 2028年11月22日(水)
- 2029年11月17日(土)
- 2030年10月31日(木)

