初夢は1月2日の夜に見る夢、書き初めは1月2日に行います。
初夢・書き初めとは
初夢(はつゆめ)は、新しい年になって初めて見る夢のことです。書き初め(かきぞめ)は、新年になって初めて筆で字を書く行事です。どちらも1月2日の夜に行うのがならわしです。初夢は見た夢の内容で一年の運を占い、書き初めは書いた字で今年の目標を表します。名前は違いますが、どちらも1月2日という同じ日に結びついた行事です。昔から続く小さな儀式ですが、今でも学校や書道教室で受け継がれています。
由来と歴史
初夢を占う習慣は、江戸時代に広まったと考えられています。有力なのは、一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)という言葉が生まれたという説です。この言葉は、徳川家にゆかりの深い駿河国(するがのくに、今の静岡県)にちなむと言われています。富士山と鷹狩り、初物の茄子という3つの縁起物を並べたものです。富士は日本一高い山、鷹は賢く強い鳥、茄子は初物として値段が高かったことから、どれも縁起がよいとされました。
書き初めは、平安時代の宮中儀式「吉書始め(きっしょはじめ)」が始まりです。天皇や貴族が、新しい年の初めに文書を書き記す儀式として行っていました。最初は貴族だけの行事でしたが、江戸時代になると寺子屋で字を習う子どもたちの間に広まりました。字がうまくなるようにという願いを込めて、新年最初の字を書く習慣が町人や農民の間にも根づいたのです。こうして書き初めは、身分に関係なく親しまれる年中行事になりました。
何をする日か
初夢と書き初めには、それぞれ昔から伝わるやり方があります。
- 初夢は1月2日の夜に見た夢を指すため、大みそかの夜の夢ではなく1月2日の夜の夢で占います。
- 良い夢を呼び込むために、宝船(たからぶね)の絵を枕の下に敷いて眠る風習があります。
- 悪い夢を見てしまったときは、その絵を川に流して悪い運を洗い流すとされています。
- 書き初めでは、新年の抱負やお気に入りの言葉、干支(えと)にちなむ字などを半紙に書きます。
- 書く前には、いつもより背筋を伸ばして墨をすり、心を落ち着けてから筆を持つとよいでしょう。
宝船の絵は、初夢を見る前日にあたる元日のうちに用意しておくと間に合います。神社やお寺で授かることもできますし、自分で富士山や宝船の絵を描いても構いません。形にこだわるより、気持ちよく新年を迎える工夫として楽しむのが一番です。
準備はいつから
書き初めに使うすずり・筆・墨・半紙は、当日の1週間前までにそろえておくと安心です。年末は大掃除やおせちの支度で何かと忙しくなるため、早めに道具箱の中身を確かめておきましょう。墨をすっていない子どもは、当日の2〜3日前に一度練習しておくと、本番で落ち着いて書けます。
書いた作品は、小正月にあたる1月15日ごろに行われるどんど焼きで燃やす地域があります。書き初めを燃やして煙が高く上がるほど字が上達すると言われているため、この日まで大切に保管しておきます。どんど焼きに参加する予定がある場合は、当日の1週間前までに開催場所と時間を確かめておくと迷いません。燃やす風習がない地域では、そのまま部屋に飾って一年の目標として見返す使い方でも構いません。
地域による違い
書き初めを燃やす風習は全国一律ではありません。どんど焼きが盛んな地域では、1月15日に書き初めを燃やす習わしが根強く残っています。一方で、この風習を行わない地域も多くあります。一富士二鷹三茄子の由来についても、駿河国にちなむという説のほかにいくつかの説があります。地域によって、どの説が語り継がれているかにも違いが見られます。
よくある疑問
なぜ1月2日に見る夢を「初夢」と呼ぶのですか
昔は大みそかから元日にかけての夜に見る夢を初夢としていました。ところが江戸時代ごろから、1月2日の夜に見る夢を指すようになったと言われています。元日は行事や来客への対応で忙しく、ゆっくり眠れなかったためという説が有力です。2日目の夜になって初めて落ち着いて眠れることから、この日の夢を一年の運試しとしたと考えられています。
悪い夢を見たら本当に運が悪くなるのですか
これは昔から伝わる言い伝えであり、確かな根拠があるわけではありません。悪い夢を見たときに宝船の絵を流すのは、気持ちを切り替えて新しい年を前向きに迎えるための工夫だと考えられます。夢の内容を気にしすぎるよりも、気持ちを切り替える行動そのものに意味があると考えるとよいでしょう。
書き初めは子どもだけの行事ですか
書き初めは子どもだけのものではありません。大人が一年の抱負や好きな言葉を書いても構わず、近年は大人向けの書き初め教室も見られます。家族みんなで書いた字を見せ合うのも、新年らしい過ごし方のひとつです。上手に書けるかどうかより、一年の始まりに向き合う時間として取り入れてみるとよいでしょう。

