秩父夜祭は12月2日から3日までです。
秩父夜祭とは
秩父夜祭(ちちぶよまつり)は、埼玉県秩父市にある秩父神社の盛大な冬のお祭りです。毎年12月2日と3日の2日間にわたって開かれます。京都の祇園祭や飛騨の高山祭と並んで、日本三大曳山祭りの一つに数えられています。
最大の見どころは、見事な彫刻で飾られた「笠鉾(かさぼこ)」と「屋台」と呼ばれる巨大な山車(だし)です。豪華な屋台と冬の夜空を彩る花火の競演を楽しむ日です。冷たい冬の空気の中で、提灯(ちょうちん)の明かりに照らされた屋台が街中を練り歩きます。
由来と歴史
秩父夜祭の歴史は、江戸時代の半ばである寛文(かんぶん)年間にまでさかのぼります。当時、秩父神社では毎年12月上旬に、絹織物などを売り買いする「絹大市(きぬのおおいち)」が開かれていました。
秩父の土地は養蚕(ようさん)が盛んで、絹の取引によって大きな富を得ていました。このお金を使い、神様への感謝を込めて笠鉾や屋台を作ったのが祭りの発展のきっかけです。地元の絹織物産業の繁栄とともに大きく発展しました。
現在曳き回されている屋台は、江戸時代から明治時代にかけて改修を重ねて立派になったものです。金糸や銀糸を用いた見事な幕や、極彩色の彫刻は、当時の職人たちの素晴らしい技術を伝えています。
何をする日か
豪華絢爛な笠鉾と屋台が街を巡行する様子や、夜空に打ち上がる花火を鑑賞します。
- 昼間から街を練り歩く6台の笠鉾と屋台を見学します
- 屋台の中で演じられるお囃子や歌舞伎の芝居を楽しみます
- 冬の夜空に打ち上がる美しい大輪の花火を鑑賞します
お祭りの本番である12月3日の夜には、6台の笠鉾と屋台が秩父神社を出発します。そしてお旅所(おたびしょ)と呼ばれる目的地へ向かいます。
お旅所の近くには「団子坂(だんござか)」という急な坂があります。重さ最大20トンにもなる屋台を、多くの引き手たちが一気に引き上げる場面が見どころです。掛け声とともに坂を引き上がる瞬間はお祭りの一番の熱気です。
準備はいつから
混雑を避けてゆっくり見学したい場合は、当日の2か月前までに有料観覧席のチケットを手配しておきます。お旅所などの見やすい場所には観覧席が設けられますが、非常に人気があるためすぐに売り切れてしまいます。
宿泊を伴う旅行を計画する場合も、当日の数か月前までに秩父周辺のホテルや旅館を確保しておく必要があります。全国から何万人もの人が訪れるため、近隣の宿は大変混み合います。
当日は、冷え込みの厳しい12月の夜に外で長時間見学することになります。厚手のコートやカイロ、温かい飲み物を当日の前日までにカバンに入れて準備し、しっかりとした防寒対策を行って出かけます。
地域による違い
秩父夜祭には、秩父地方に古くから伝わるロマンチックな神話が関わっています。
秩父神社の女神と、近くの武甲山に住む男神の龍神が、1年に1度だけこの夜に逢引をするという伝説です。2日間の祭りは神様たちが密会するための祭りとも呼ばれています。
そのため、屋台が武甲山の方向へ向かって進むなど、伝説に基づいた神聖な儀式としての側面も大切に守り継がれています。
よくある疑問
なぜ冬の寒い時期に大きなお祭りがあるのですか
養蚕(ようさん)の仕事が一段落する時期だからです。春から秋にかけて絹の原料となる蚕(かいこ)を育てる農家にとって、12月はようやく一息つける月でした。その年の豊かな収穫と商売繁盛を神様に感謝するために、この時期に盛大なお祭りが開かれるようになりました。
笠鉾(かさぼこ)と屋台は何が違うのですか
形と役割が少し異なります。笠鉾は、大きな傘の上に神様が降りてくるための松などを飾った背の高い山車です。一方の屋台は、中に舞台があり、屋根の下で太鼓を叩いたり、芸人が歌舞伎を演じたりできる作りになっています。
花火はどのタイミングで打ち上がりますか
12月2日と3日の両日とも夜に打ち上がりますが、特に3日の夜が一番盛大です。屋台が神社の境内を出発してから、お旅所の団子坂を引き上がる瞬間に向けて次々と花火が上がります。澄み切った冬の夜空に咲く花火は、夏の花火とは違った美しさがあります。

