次の酉の市は2026年11月7日です。
酉の市とは
酉の市(とりのいち)は、毎年11月の「酉の日(とりのひ)」に開かれる開運や商売繁盛を願うお祭りです。主に東京都など関東地方の神社やお寺で執り行われます。11月に巡ってくる最初の酉の日を「一の酉(いちのとり)」、次を「二の酉(にのとり)」と呼びます。
年によっては「三の酉(さんのとり)」まで開催される年もあります。新しい年の福を呼び込むための冬の風物詩です。境内に所狭しと並ぶ熊手(くまで)の店と、手締めの威勢の良い掛け声が響き渡り、年末の訪れを感じさせる賑やかなお祭りです。
由来と歴史
酉の市の発祥は、江戸時代の武蔵国足立郡(現在の東京都足立区)にある大鳥神社(花畑大鳥神社)だとされています。もともとは、近隣の農民たちが収穫した農作物や農具を持ち寄り、神様に感謝を捧げる農市(のういち)でした。
やがて、農具の熊手が「福をかき集める」「財宝をかき寄せる」という縁起物として捉えられるようになりました。江戸時代の半ばになると、商売繁盛を祈る商人たちの祭りに変化していきました。
その後、浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ)や新宿の花園神社など、都心近くの神社でも盛大に開かれるようになりました。吉原遊郭(よしわらゆうかく)に近い浅草の市は特に賑わいました。江戸の町人文化を代表する行事として現代に受け継がれています。
何をする日か
神社にお参りをして、1年間の無事を感謝し、次の年の商売繁盛を祈って縁起熊手を買います。
- 神社へお参りして開運と商売繁盛を祈願します
- 露店を巡りお気に入りの縁起熊手を選びます
- 店員さんと威勢よく三打ちの手締めをして買い求めます
熊手を買うときは、店員さんとの価格交渉を楽しむのが伝統的な作法です。まけてもらった分をお祝い(チップ)として店にお返しするのが粋な買い方とされています。
購入が決まると、店員さんや周りの人々が一斉に「よーお」と掛け声をかけ、手締めをしてくれます。威勢の良い手締めの拍手で新年の福を呼び込みます。買い求めた熊手は、高く掲げて持ち帰ります。
食べるもの・供えるもの
酉の市の名物料理や、境内の露店で買える縁起の良い食べ物があります。
代表的なものが「切山椒(きりざんしょ)」と呼ばれる和菓子です。上新粉に山椒の風味と砂糖を加えて練り上げたお菓子で、厄除けの効能があると信じられてきました。山椒は捨てるところがない有用な植物であることから、縁起物として親しまれています。
また、「黄金餅(こがねもち)」や「頭の芋(かしらのいも)」も名物として知られます。頭の芋はサトイモの一種で、食べると人の頭(頭領)になれるという出世の願いが込められています。
神社で授与される「撫でかめ(なでかめ)」や「おかめ」の面も、福を呼ぶお供え物として大切に飾られます。
準備はいつから
酉の市へ出かけるなら、当日の1週間前までに開催日と境内の混雑状況を確かめておきます。酉の日は年によって2回または3回あり、日付が毎年変わるため確認が欠かせません。
出かける前の準備として、当日の3日前までに小銭や千円札を多めに用意しておきます。熊手の購入や露店での買い物をスムーズに行うための大切な準備です。
古い熊手がある場合は、当日の朝に感謝を込めて神社のお焚き上げ(古いお札納め所)へ持参します。新しい熊手は前年より少し大きめのものを選ぶと縁起が良いとされています。
地域による違い
酉の市は関東地方を中心に発展してきた行事であり、特に有名な神社が集中しています。
東京都台東区の浅草にある鷲神社は日本最大の酉の市として有名です。毎年何十万人もの参拝客で賑わい、数百軒の熊手店が立ち並ぶ光景は圧巻です。近隣の長国寺(ちょうこくじ)とともに、江戸時代からの伝統を色濃く残しています。
また、東京都新宿区の花園神社は「関東三大酉の市」の一つに挙げられます。都心の繁華街に位置するため、深夜まで多くの会社員や観光客で溢れ返ります。
なお、三の酉まである年は「火事が多い」という有名な俗信があります。寒さが増して火を使う機会が増える時期であるため、人々へ火の用心を強く戒めるための教えとして語り継がれています。
よくある疑問
初めて熊手を買うときは小さいものがよいですか
はい、小さいサイズから買い始めるのが一般的です。熊手は年々少しずつ大きくしていくと、商売や運気が少しずつ大きくなるとされています。最初から無理に大きなものを買わず、自分の身の丈に合ったサイズを選び、毎年少しずつ大きくしていく楽しみを味わいます。
三の酉の年に火事が多いというのは本当ですか
科学的な根拠はありませんが防災の教えとして大切にされています。11月後半まで酉の市が続くと、寒さが厳しくなり空気が乾燥します。暖房器具や火を使う機会が増えるため、昔の人が「火の用心」を呼びかけるために作った言い伝えだと考えられています。
買った熊手は家や会社のどこに飾ればよいですか
目線より高い位置で、玄関や神棚に向けて飾るのが基本です。風水や吉方位を気にする場合は、北以外の方向(東、南、西)へ正面を向けて飾ります。室内に福をかき集めてくれるよう、綺麗に掃除した清潔な場所を選んで飾ることが大切です。
今後5年間の酉の市
- 2026年11月7日(土)
- 2026年11月19日(木)
- 2027年11月2日(火)
- 2027年11月14日(日)
- 2027年11月26日(金)

