唐津くんちは11月2日から4日までです。
唐津くんちとは
唐津くんち(からつくんち)は、佐賀県唐津市にある唐津神社の秋の定期的なお祭りです。毎年11月2日から4日の3日間にわたって開かれます。「くんち」とは、九州の博多や長崎などで秋の収穫に感謝する祭りを指す言葉です。
祭りの一番の魅力は、豪華絢爛(ごうかけんらん)な14台の「曳山(ひきやま)」です。和紙や漆(うるし)、金箔を何重にも重ねて作られた巨大な漆工芸品が、笛や太鼓の囃子(はやし)とともに街を練り歩きます。国の重要無形民俗文化財やユネスコ無形文化遺産にも登録されています。全国から多くの観光客が訪れる九州を代表する秋祭りです。
由来と歴史
唐津くんちの歴史は古く、江戸時代の文政(ぶんせい)年間にまでさかのぼります。一番最初に作られた曳山は、刀町(かたたまち)の「赤獅子(あかじし)」です。
当時、伊勢神宮へ参拝した町人が、そこで見た立派な山車に感動しました。そして、地元の職人たちと力を合わせて木彫りや和紙で赤獅子を作り、唐津神社へ奉納したのが始まりとされています。これをきっかけに、他の町内も競い合うようにして独特なデザインの曳山を制作していきました。
明治時代までに合計15台の曳山が作られましたが、残念ながら1台は明治時代に失われてしまいました。残された14台の曳山は、大修理を経て今も大切に引き継がれています。町の職人技と町人の誇りが詰まった大切な宝物です。
何をする日か
14台の曳山が「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」という勇ましい掛け声とともに街中を巡行します。
- 初日の夜に明かりを灯して宵ヤマ(よいやま)の巡行を行います
- 2日目に砂地に曳山を引き込むお旅所神幸(おたびしょしんこう)を鑑賞します
- 最終日に町内を巡り曳山を展示場へ納めます
初日の11月2日夜に行われる宵ヤマでは、提灯の明かりを灯した曳山が幻想的な雰囲気の中で巡行します。
2日目の11月3日は本祭(ほんさい)にあたり、西の浜のお旅所と呼ばれる砂地へ曳山を引き込みます。重さ数トンもある曳山を力いっぱい引き込む光景は、お祭りの中で最も大きな見どころです。3日目の11月4日には、町内を巡ったあとに次回のお祭りまで保管される展示場へ納められます。
曳山(ひきやま)の特徴
唐津くんちの曳山は、世界的にも珍しい巨大な漆工芸品として高い評価を受けています。
赤獅子や青獅子などの獅子をはじめ、武者の兜(かぶと)や亀、飛龍、鯛(たい)など、町ごとに全く異なる姿をしています。粘土で型を作り、その上に和紙を何百枚も貼り重ねてから型を抜き、漆を何度も塗って仕上げられています。
一番重い曳山は5トン近くの重量があります。金箔や銀箔が惜しみなく使われており、太陽の光や提灯の明かりを受けて眩しく輝きます。
製作から200年近く経つものもありますが、定期的に塗り替えや修復が行われており、新品同様の美しさが保たれています。伝統の技で作られた芸術品が街を走る姿は圧巻です。
準備はいつから
混雑を避けてじっくり見学したい場合は、当日の2か月前までに宿泊施設や交通機関の手配を行います。お祭りの期間中は唐津市内のホテルが大変混み合うため、早めの確保が必要です。
見学の計画を立てるなら、当日の1週間前までに巡行ルートや交通規制の情報を確認しておきます。時間帯によって曳山が通過する場所が変わるため、見たい曳山がどこを通るかを調べておくとスムーズです。
当日は動きやすい服と歩き慣れた靴で出かけます。寒暖差が激しいため、夜の宵ヤマを見学する場合は防寒着を当日の前日までにカバンに入れて準備しておきます。
よくある疑問
曳山は誰でも引くことができますか
その町内にゆかりのある人しか引くことができません。曳山を引くのは、各町内の住民やその親族などに限られています。参加する人々は、幼い頃から囃子や引き手としての作法を学び、地域全体で伝統を守り続けています。観光客は、沿道から温かい声援を送りながら見学して楽しみます。
お勧めのお土産や名物料理はありますか
唐津の秋の名物料理に「クエ料理(アラ料理)」があります。お祭りの時期になると、地元の家庭や料亭で大型の高級魚であるアラを使った鍋料理や刺身が振る舞われます。また、唐津焼の焼き物や、和菓子の「けいらん」もお土産として人気があります。
雨が降った場合お祭りは中止になりますか
小雨程度であれば予定通り曳山の巡行が行われます。ただし、曳山は和紙と漆で作られた貴重な文化財であるため、大雨の場合は傷みを防ぐためにビニールシートを被せて走ります。非常に激しい荒天の場合は、巡行の時間が変更されたりコースが短縮されたりすることがあります。

