2027年の二百十日は9月1日、二百二十日は9月11日です。
二百十日・二百二十日とは
二百十日(にひゃくとおか)と二百二十日は、日本の暦における「雑節(ざっせつ)」と呼ばれる特別な日です。立春から数えて210日目と220日目にあたる日を指します。昔から、農家にとって警戒が必要な日とされてきました。
この時期は、ちょうど稲が花を咲かせて実をつける大切な時期にあたります。しかし、同時に大きな台風が通りやすい時期でもあります。せっかく育った稲が強い風と雨で倒れると、収穫に大きな影響が出てしまいます。そのため、昔から農家の人々が台風の被害を警戒する厄日として大切にされてきました。
由来と歴史
二百十日や二百二十日は、日本で独自に作られた暦の目安です。江戸時代の天文学者である渋川春海(しぶかわはるみ)が、農家に注意を呼びかけるために暦に書いたのが始まりとされています。
昔は今のように天気予報がありませんでした。台風の接近を事前に知るすべがなかったため、注意を呼びかける目印が必要でした。そこで、立春を基準にして日数を数え、台風が来やすい日をあらかじめ暦に記載する工夫が生まれました。
実りの時期を迎えた稲を守るため、全国各地で風を鎮めるための祈りや行事が行われるようになりました。風の神様をお祀りして「どうか強い風を吹かせないでください」と静かに祈りを捧げる風習が、庶民の間に根付いていきました。
何をする日か
台風に備えて農作物の保護や家の周りの点検を行い、風鎮め(ふうちん)の祈りをささげます。
- 収穫を控えた農作物を支柱で補強して風に備えます
- 神社に集まり風の神様に風鎮めの祈願をします
- 家の周りの飛ばされやすいものを安全な場所へ片付けます
神社では、風の神様を祀る風鎮祭(ふうちんさい)が開かれます。神職が祝詞(のりと)をあげ、地域の人々が無事な収穫を祈ります。家庭でも台風への備えを見直す目安となる日です。
また、昔は風を鎮めるために大きな風車を境内に飾ったり、屋根の上に鎌を立てたりする独特の風習もありました。強い風を鎌で切り裂いて和らげようという、庶民の切実な願いが込められていました。
食べるもの・供えるもの
二百十日や二百二十日には、決まった特別な行事食はありません。しかし、無事に収穫を迎えられるようにとの願いを込めて、初物の穀物やお餅をお供えする地域があります。
お供え物としては、早場米(はやばまい)と呼ばれる早く収穫できたお米で作った赤飯や、お餅が用意されます。これを神社や神棚に備えて、実りへの感謝とこれからの無事を祈ります。
また、台風を無事に乗り切った後には、無事を祝ってお団子や季節の野菜を使った煮物をみんなで食べる風習もありました。暑さが落ち着き秋の味覚が出始める時期でもあるため、秋の訪れを感謝しながら食卓を囲みます。
準備はいつから
農作業や家庭の風水害対策は、当日の1週間前までに点検を済ませておきます。
田んぼや畑では、強い風で倒れやすい果樹や野菜に支柱を立ててしっかりと縛り付けます。水路にゴミが溜まって溢れないよう、溝掃除を早めに終わらせておくことも大切です。
家庭では、当日の3日前までにベランダや庭にある鉢植え、物干し竿などの固定を確認します。強風で飛んでいく危険があるものは、あらかじめ室内に取り込んでおきます。窓ガラスを保護するためのフィルムやテープを準備しておくのも効果的です。
当日は最新の台風情報に耳を傾け、無理な外出を控えて静かに過ごします。行事を行う神社では、数日前から境内の清掃やしめ縄の取り替えを行い、当日のお参りに備えます。
地域による違い
風鎮めの行事は、日本各地の風向きや気候に合わせて多様な形で受け継がれてきました。
富山県富山市八尾(やつお)地区で行われる「おわら風の盆(かぜのぼん)」は、特に有名な風鎮めの行事です。富山県では風鎮めとして幻想的な踊りを奉納します。胡弓(こきゅう)や三味線の音色に合わせて、編み笠をかぶった踊り手たちが静かに練り歩きます。
その他の地域でも、長野県などで風の神様を祀る「風穴祭り」が開かれたり、関西の神社で「風鎮大祭」が執り行われたりします。風の被害を受けやすい山間部や沿岸部ほど、手厚い風鎮めの行事が残っています。
よくある疑問
二百十日と二百二十日の違いは何ですか
立春からの日数が10日違うだけで、どちらも台風を警戒する厄日という意味は同じです。二百十日を越えても、10日後の二百二十日ごろに大きな台風が来ることがありました。そのため、二重に警戒する目安として設けられました。現代でもこの二つの時期は台風が接近しやすいため、注意が必要です。
現代でもこの日に台風は来ますか
必ずこの日に台風が上陸するわけではありません。しかし、気象の統計を見ると、8月下旬から9月上旬にかけては日本列島に台風が近づきやすい時期にあたります。昔の人の経験に基づく知恵は、科学的にも理にかなっているといえます。
風の盆は観光客も参加できますか
踊りの輪に入らず静かに鑑賞するのがマナーです。おわら風の盆は観光イベントではなく、地域の人々が風の被害を抑えるために大切に守ってきた伝統的な行事です。街並みの雰囲気を壊さないよう、大きな声を出さずに静かに見守ることが求められます。
今後5年間の二百十日・二百二十日
- 2027年9月1日(水)
- 2027年9月11日(土)
- 2028年8月31日(木)
- 2028年9月10日(日)
- 2029年8月31日(金)

