春日若宮おん祭は12月17日です。
春日若宮おん祭とは
春日若宮おん祭(かすがわかみやおんまつり)は、奈良の春日大社にある若宮神社のお祭りです。毎年12月17日を中心として盛大に執り行われます。
五穀豊穣(ごこくほうじょう)や万民の平安を神様に祈る行事です。平安時代から一度も途切れることなく、900年近くにわたって受け継がれてきました。国の重要無形民俗文化財に指定されている歴史ある行事です。豪華な時代装束を身にまとった人々が練り歩く時代行列や、古典芸能が一日中奉納されます。
由来と歴史
春日若宮おん祭の始まりは、平安時代の保延(ほえん)2年にさかのぼります。当時は大雨や長雨が続き、全国で飢饉(ききん)や疫病が大流行していました。
藤原忠通(ふじわらのただみち)が若宮の神様をお迎えしました。心からの祈りを捧げて盛大なお祭りを行ったのが始まりです。神様の恵みによって飢饉や病が治まったことから、翌年以降も毎年欠かさず行われるようになりました。
大名や武士、大和(やまと)の武士団(武士のグループ)も参加し、奈良の町全体をあげて盛大にお祝いされるようになりました。時代が変わっても昔ながらの儀式や装束、芸能がそのまま守られており、生きている歴史絵巻として大切にされています。
何をする日か
12月17日の本祭(ほんさい)を中心に、華やかな行列や伝統的な芸能を鑑賞します。
- 豪華な時代装束の行列であるお渡り式(おわたりしき)を鑑賞します
- 神様の御前で演じられる神楽や田楽などの伝統芸能を観賞します
- 参道に並ぶ屋店を巡り奈良の冬の雰囲気を楽しみます
12月17日のお正午になると、お祭り最大の見どころである「お渡り式」が始まります。古代から江戸時代までの装束を着た人々が列を作ります。奈良の街から春日大社の参道へとゆっくり進みます。
行列が御旅所(おたびしょ)に到着すると芸能が始まります。深夜まで神楽(かぐら)や田楽などが神様に奉納されます。古代から続く芸能を一日で鑑賞できる貴重な機会です。
食べるもの・供えるもの
春日若宮おん祭には、神様へお供えする特別なお供え物や、奈良の冬の味覚があります。
神様にお供えされる代表的なお供え物が「大根(だいこん)」や「のっぺい汁」です。御旅所の神前には、細長く切った大根や旬の野菜がお供えされます。
参拝客や地元の人々は、このお祭りの時期に温かい「のっぺい汁」を食べます。根菜類やサトイモ、アゲなどを出汁で煮込んだ具だくさんの汁物で、寒さが厳しくなる奈良の冬に体を芯から温めてくれます。奈良市内の飲食店や茶屋でも、お祭りの時期に合わせて温かい料理が振る舞われます。
準備はいつから
お渡り式や芸能をゆっくり鑑賞したい場合は、当日の1か月前までに見学するコースやタイムスケジュールを確認しておきます。奈良市内の混雑状況や交通規制の情報を調べておくとスムーズです。
遠方から訪れて宿泊する場合は、当日の2か月前までに奈良市内のホテルや宿を予約しておきます。年末近くの有名な行事のため、近隣の宿泊施設は早い段階で満室になります。
当日は外で長時間の見学となるため、当日の前日までに厚手のコートや手袋、カイロを用意しておきます。防寒対策を徹底して出かけます。
地域による違い
春日若宮おん祭は、奈良の歴史と文化が凝縮された非常に地域性の高い行事です。
900年近く一度も休むことなく続けられてきた歴史は全国的にも珍しく、奈良の人々の誇りとして大切に守られてきました。太平洋戦争や大災害の年であっても、規模を縮小しながら必ず儀式が執り行われてきました。
行事で披露される田楽や舞楽(ぶがく)などの芸能も魅力的です。日本の歴史を知る上で非常に貴重な文化財とされています。大和の伝統文化の原点として、今も地元の人々によって熱心に継承されています。
よくある疑問
お渡り式(おわたりしき)はどこで見られますか
奈良市内の近鉄奈良駅周辺や、三条通り、春日大社の参道沿いで見ることができます。正午に県庁近くを出発し、三条通りを通って春日大社の参道へ向かいます。沿道から誰でも無料で見学できますが、大変混雑するため、通過予定時刻の30分以上前から場所を確保しておくのがおすすめです。
12月17日以外の日は何が行われますか
お祭りは12月15日から18日までの4日間にわたって行われます。15日には神事が行われます。16日には「大宿所祭」として、参拝客へ温かい汁物などが振る舞われます。17日がメインの本祭で、18日には感謝を捧げる「後内侍(のちないし)」の神事が行われて幕を閉じます。
防寒対策はどのようにすればよいですか
奈良の12月は底冷えと呼ばれる厳しい寒さになります。夜遅くまで芸能の奉納が行われるため、ダウンジャケットやマフラー、温かいブーツの着用が必須です。貼るタイプのカイロを背中や足元に貼っておくと、長時間の屋外見学でも快適に過ごせます。

